SIer 仕事

SIer とは何か? - 大手SIer在籍中が語る

デジタル変革の波が高まる現代社会において、 SIer (システムインテグレーター)の役割は日々進化し、ますます重要になっています。しかし、多くの人々にとって、 SIer という用語はなじみが薄いかもしれません。本記事では、 SIer がどのような存在で、彼らがどのように私たちのビジネスや生活に影響を与えているのかを掘り下げます。また、この分野でのキャリアを目指す方々へ、必要なスキルや知識についても解説します。

本記事で解決できること

  1. SIerの基本的な理解: SIerとは何か、その役割と業界内での位置づけ。
  2. SIerの分類の理解: 大手、中堅・中小、ユーザー系、メーカー系、独立系などのSIerの種類と特徴。
  3. 仕事内容の詳細: SIerがどのようなプロセスでシステムを設計、開発、運用しているか。
  4. 国際的な比較: 日本のSIerと海外のSIerの違いとグローバルな視点。
  5. キャリア構築のための情報: SIer業界での就職や転職、キャリアアップに必要なスキルと資格。
  6. 業界の将来性: SIer業界の現状と将来展望、新たなチャンスについての理解。

SIer とは:基本概念の紹介

SIer の定義と歴史

SIer (システムインテグレーター)は、顧客のニーズに合わせて、異なる技術やサービスを統合してシステムを構築する企業です。この役割は、技術の進展とともに進化してきており日本では、SIerはソフトウェア開発だけでなく、ITコンサルティング、システム運用保守など幅広いサービスを提供しています。

よって、SIerは『ITでいろいろなことをやっている企業』という認識でいれば良いです。

日本におけるSIerの発展と現状

日本のSIer市場は、長年にわたり成長し続けています。

初期は主に大企業が市場をリードしていましたが、現在では中小企業も活躍の場を広げています。

特に、デジタル変革の波が高まる中、SIerは多領域の多くの事柄に関するノウハウを持っていることから、日本においてのSIer需要は年々高まり続けています。

SIer の分類:多様な形態を理解する

大手SIer、中堅・中小SIerの違い

大手SIerは大規模プロジェクトを扱い、全国規模でのサービス提供が可能です。

一方、中堅・中小SIerは地域密着型のサービスや特定分野に特化したサービスを提供し、顧客との密接な関係を構築しています。

さらに中小SIerの場合は大手SIerが受注した仕事の2次受け、3次受けであることが多くなります。

企業にとっては大手様からお仕事を回していただけることはありがたいことかもしれませんが、労働者から考えると自由度が下がり、報酬も1次受けよりも低くなるためデメリットししかありません。

SIerに限った話ではないですが、やはり大手に行っておくことに越したことはないでしょう。

ユーザー系、メーカー系、独立系SIer

SIerは大きくユーザー系・メーカー系・独立系に分かれています。それぞれの特色は下記の通り。

ユーザー系SIerは特定の業界に特化し、その業界の深い知識を持っています。
メーカー系SIerはハードウェア製造企業が母体であり、ハードウェアと連携したシステム構築に強みを持っています。
独立系SIerは特定のメーカーに依存せず、多様な技術を組み合わせて最適なシステムを提供します。

私は独立系SIerに勤めておりますが、独立系の強みとしては業界問わず、様々なお仕事を経験できることかと思います。また、親会社も存在しないので作業の自由度も高く、社風も企業の色が濃く出ている印象です。

SIer の仕事内容:プロジェクトから運用まで

要件定義とシステム設計

SIerの仕事は、まずクライアントのニーズを正確に理解することから始まります。

これを「要件定義」と呼び、クライアントの要求を明確にし、それに基づいてシステムの基本設計を行います。

この段階での正確なコミュニケーションと分析は、プロジェクト成功の鍵を握ります。

システム開発と導入

要件定義と設計が完了すると、次は実際のシステム開発に入ります。

プログラミング、テスト、デバッグなどが行われ、システムが完成すると、クライアントの環境に導入されます。

この段階では、技術的なスキルだけでなく、プロジェクト管理能力も重要になります。

実際にはシステム開発はパートナー企業様へ委託しているケースも多く、SIerはマネジメント作業に徹することもあります。

運用と保守の役割

システム導入後は、運用と保守のフェーズに移ります。

これには、システムの維持管理、トラブルシューティング、必要に応じたアップデートなどが含まれます。

長期的な顧客サポートと、システムの安定稼働が求められる重要な工程です。

海外のSIer企業との違い:グローバルな視点

日本のSIerと海外SIerの業務スタイル比較

日本のSIerは垂直統合型のアプローチが特徴で、一つの企業がプロジェクトの多くの部分を担います。

一方、海外、特に欧米のSIerはより専門分化しており、異なる企業がプロジェクトの各フェーズを担当する傾向にあります。

海外SIerの事例と成功要因

海外の有名なSIer、例えばアクセンチュアやIBMは、大規模で複雑なプロジェクトを扱うことで知られています。

彼らの成功は、グローバルな視点と先進的な技術への適応能力に由来しています。

グローバルで得た知見をいち早く日本へ導入できる点も大きな強みとなっています。

SIerに就職・転職するためのガイド

必要なスキルとキャリアパス

SIerに就職するためには、プログラミング、データベース管理、ネットワーク設計などの技術的スキルが必要です。

加えて、プロジェクト管理能力やコミュニケーション能力も重要視されます。むしろ大手になればなるほど開発工程は外注することが多いのでコミュニケーション能力はとても大切になってきます。

キャリアパスとしては、初級エンジニアから始まり、プロジェクトリーダー、システムアーキテクト、ITコンサルタントへと進むことが一般的です。転職先もこれらの業種へ転職する方が多いです。

SIerへ就職したひ

業界で求められる資格と経験

特定のIT関連資格を取得することは、SIer業界での就職・キャリアアップに役立ちます。

例えば、情報処理試験、AWS、Oracle認定資格などは取っておくと社内評価に直結する可能性があります。

また、実務経験も重要で、特に大規模プロジェクトでの経験や失敗からの学びなどは面接でも聞かれてる点となります。

まとめ

SIer業界は、企業のデジタル変革を支える重要な役割を担っています。

日本国内では、大手から中小企業まで幅広いSIerが活躍し、国際市場でも日本のSIerは独自のアプローチで成功を収めています。

一方で、海外のSIerと比較すると、業務プロセスや専門分化の点で違いが見られます。

この業界で働くためには、専門的な技術スキルとともに、コミュニケーションやプロジェクト管理能力が求められます。

今後もテクノロジーの進化とともに、SIerの役割はさらに重要になり、新たなチャンスが生まれることが期待されます。

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